マンガ〜モナー兄弟のあっというま劇場その1〜
- 21 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:47
、
┼┼ 二. lコ
土 三┼ ┌┴
┼┼ 丿‐┘ Ll 寸 口│ .ノ 占
|三三三三三三三三三三三三三|
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.______|________.||________.|____
∧∧
(,, :::)
( .:::)
〜| |
し`J
:::::::::
::::::::
夢で、また井戸時計店に来ていた。
- 22 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:47
井戸時計店というのはどうやら確定した店名ではないようだ。
来るたびに店名が異なっているからだ。
||;;;;;;;;:;;;;;;;::,, ,.. /,,:::.:. .. .,......, ..... | |
||.,.,...........,,,,,,,... ∧_∧ | |
||
(`o-´ ) | |
|| ( ) |
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__||________ (__,つ_) | |
/ | |
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ト,.__________」 | |
| // 。=。 .___/ / |∧∧────‐|
,────、
| ('(>) li.<ll (,, ゚Д)────.| |ヽ
r:::::::::、ヽ
I===================(, つ ヽ| \/::(└):::) \
〜| | `| \ \
し`J
\
,───────^─、
| また、来ましたよ |
`ー───────‐'
- 23 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:48
しかし変わった時計ばかり置いている店内の古い形式の造作や、
縁なし眼鏡をかけた気むずかしい主人は常に変わらない。
,──────────────────────、
||;;;;;;;;:;;;;;;;::,,
| あんたは時間などさほど気にしなくていい職業だし、|
||.,.,.........,,,,,,,..| 最近は滅多に外出もしないじゃないか。 . |
|| | なんでたびたびうちへくるんだね |
||
`ー──────y──────────────‐'
__||________ ∧_∧ | |
/ |
( `o-´ ) .| |
ト,._____∧∧___」 ( ) | |
| // 。=。 (,,
゚Д) |.──| │ノ─‐ | ,────、
|. ('(>) | つ |─‐ (__)'── |
|ヽ r:::::::::、ヽ
I=========〜| |====I ヽ| \/::(└):::)
\
し`J `| \ \
\
,──────^───────────、
| 時間というより、時計が気になるんです |
| 何か、変わった時計はありませんか
.|
`ー────────────────‐'
- 24 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:48
主人は見たところ何の変わりもない腕時計を出した。
|;;;:::;;:::;;:::;;:::;l
l;;;:::;;:::;;:::;;:::;|
l;;;::::;:::;;:::;;:::;|. /____/
|;;;:::::::::::::;:::;;l.
/;;::::::::::::::::/
l;;;:::::::::::::::::::;| /;;::::::::::::::::/
|;;;::::::::::::::::::::|./;;;:::::::::,;;;::/
^;r'"^~"'ヽ:^/;;::::::::;;;::;;;/
,i' , ';;;:::::::;;;::;;;;:/
! ヽ/
l;;:::;;;;;:;;:::/
ヽ、 ,ノ;::;;;;;:;;:::/
^
`、ーー'"::^ヽ;::;;ノ
`"''''''''''''''''''"
,──────────────────────────────、
| これは昔、外国の探偵小説からアイディアを得て作られたものだがね。
|
| 「針」という短編だ
|
`ー──────────────v─∧_∧──────────‐'
∧∧ (`o-´ )
(,,゚Д゚)
,‐ヘ───────‐、
|どういう時計ですか|
`ー───────‐'
,─────────────────────‐、
| 正午になると、裏側にある小さな穴から細い針が |
| 3ミリばかり飛び出して引っ込む
|
`ー─────────────v─∧_∧───'
∧∧
(`o-´ )
(;゚Д゚)
,‐ヘ───────ー、
|痛いじゃないですか|
`ー────────'
,─────────────────────────────‐、
| 一瞬ちくりとするだけだ。痕も残らない。この針の先に猛毒を塗って、|
| 殺したい人物に贈呈するんだ
|
`ー──────────────v─∧_∧─────────‐'
∧∧ (`o-´ )
(,,゚Д゚)
,‐ヘ──────────────────────‐、
|完全犯罪になりますね。ほかにどんなものがありますか|
`ー──────────────────────‐'
- 25 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:48
,─────────────────────、
||;;;;;;;;:;;;;;;;::,, ,.| あんたは今までにも夢でよくここへきて、さんざ |
||.,.,.........,,,,,,,.. | 変わった時計を見たじゃないか。 |
||
| この腕時計だって、前に見せたことがある筈だよ|
||
`ー──y─────────────────‐'
__||________ |
|
/ | | |
ト,________∧_∧ |
|
| // 。=。 .___/ ( `o-´)─────.l∧∧───、
|
('(>) li.<ll (つ刀@)─────(,,゚Д゚) r:::::::::、ヽ
I===============
| | | ⊂ つ/::(└):::) \
(__)_) 〜| | \
\
し'
J
,────────────────^──‐、
| そうでしたね。懐かしいなあ、これはたしか |
| 「人生の時計」という置時計でしたね
|
`ー─────────────────‐'
- 26 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:49
それは蒼黒い色をした岩の中に埋め込まれている時計だった。
________,
/´;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.ヾ、
,/:':':':':':':':':':',r-‐‐-、,;:;:;:;:;:;:;:|
/;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;| | |:;:;:.;.;.;.;.;ヽ
〉;..;..;..;..;..;..;..;.|  ̄ |:;:;:;:;:;:;:;:;:;|
/:':':':':':':':':':':':':'`ー─‐'´:':':':':':':':'/
,ヘ,. ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄,へ、 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ i / !
/: !,-───/ l
/::
i!
l::: ◯ l
. |:::. ┌i
l,::::.
|│
':;:::.. 〃 ノ‐'
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〉:::. 〈 ´
< これはなぜ、「人生の時計」というんでしたっけ
\___________________
- 27 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:49
,──────────────────、
||;;;;;;;;:;;;;;;;::,,
,.. | ……あんたは二十年ほど前にも |
||.,.,...........,,,,,,,...
| この店のことを小説に書いたが、 |
|| | ここのことはあまり書かないほうがいいよ |
|| `ー───y──────────────'
__||________ |
|
/ │ |
|
ト,__________.」 | |
| // 。=。 .___/ /
|──────‐l.∧∧───、
| ('(>) li.<ll. ∧_∧─────‐
(゚Д゚,,) r:::::::::、ヽ
I============== ( `o-´ ) し つ'::(└):::)
\
( ) 〜| |. \ \
| │,ノ し' J
(__)
,────^─────‐、
| はあ。どうしてですか
|
`ー─────────'
- 28 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:49
,─────────────────‐、
||;;;;;;;;:;;;;;;;::,,
,.| 読者がそれを読んで共感した場合、 .|
||.,.,.........,,,,,,,.. | そのひとはあんたの無意識に |
|| | ひきずりこまれてしまうことになるからね |
|| `ー──y──────────────'
__||________ |
|
/ | |
|
ト,__________.」 | |
| // 。=。 .___/ /
|──────‐l.∧∧───、
| ('(>) li.<ll. ∧_∧─────‐ (゚Д゚,,)
r:::::::::、ヽ
I============== ( `o-) と つ'::(└):::)
\
( ) | | \ \
|
| | し`J
(__)_)
,─────────────^──‐、
| それはむしろ、そうなってくれることが |
| 目的でもあるのですが |
`ー───────────────'
- 29 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:49
| r,====、 {{ >゙}
| . |i ┘ !l
||/||
| ヽ===シ `‐´
| !
| i r:::::::::、
| ,/ ̄ ̄ ̄/::(└):::) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'!
|/_____∧∧_______i
|| / (.゚Д゚,) / |
||
{(>) (,. j.., [└ ,―――――――────────―――‐、
|I========.〜| |.=====|
二十年前と違って、今のあんたは「死」に |
──┘ し`J | こだわっているからさ。
|
/ ̄ ̄ ̄l ∧_∧ | 最近あんたの親しいひとが次々に死んだ。 |
./
/| ( `o-´ ) `ー――─y────────――――――'
/ | (
J
____/ /l | | |
// | /. (_ノ、__)
(:( .|
/
====イ' ,─────────^────────‐、
| だから最近あんたは「死」をテーマにした |
| 短編ばかり書いている。今だって、ほら |
`ー─────────────────'
- 30 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:50
______________
| ||
|
| ./ || / |
| ('"__"') .|| /
|
|∩( ´o-o‐┛~~|| |
|ヽ、 ) .||
|
| 人 Y' || |
|. し(_) .||
|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
先ごろ死んだばかりの、仲間でもあった高名な漫画家が、
おれに手を振りながら通り過ぎていった。
- 31 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:50
,────────────────────────‐、
| ……夢の中でもそうだし、時には目を覚ましている時でも |
| そのひとが死んだひとなのか、まだ生きているひとなのか
.|
| わからなくなる時がありますね |
`ー───────────v────────────'
|/_____∧∧_______i
|| / (,,-Д) / |
||
{(>) (,. j.., [└ ,ヽ――――――────────―――‐、
|I========.〜| |.=====| まだ生きている人のことまで、あの人は |
──┘ し`J
| もう死んだんじゃなかったかなんて思ったり |
/ ̄ ̄ ̄l
∧_∧ `──────────────────‐'
./ /| (o-´ .)
/ | ( )
____/ /l | | |
// | /
(_(__)
(:( .| /
====イ' ,───────────^──────────、
| ほら、それが「死」にとらえられ始めている証拠だ。|
| 危険だから、ここへ来るのはやめた方がいい . |
`ー────────────────────‐'
- 32 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:50
しかしこの時計店は、夢で訪れるもっとも重要な場所のひとつだった。
| r,====、 {{
>゙}
| . |i ┘ !l ||/||
| ヽ===シ
`‐´
| !
| i r:::::::::、
|
,/ ̄ ̄ ̄/::(└):::) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'!
|/______________i
|| / / / |
|| {(>)} o....., [└] .
|
|I ===========================I
──┘::::::.:::::::.::.::..:..:.:...
/ ̄ ̄ ̄l.::::::.:::::.::..:.::::..:..
./
/|
/ |
____/ /|
// | /
(:( .|
/ 来はじめた時から懐かしい場所だったのだが、何十年も前から
====イ' 来ていたからこそますます懐かしさがつのるのだ。
- 33 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:51
、
‐┼‐ 二. lコ 土 三┼ ┌┴
/|\ 丿‐┘ Ll 寸 口│ ノ 占
|三三三三三三三三三三三三三|
|
|| |
| / || |
|
/ || |
| || |
|
|| |
.______|________.||_____∧∧_」____
(Д゚ ,,)
と |っ
d |〜
`
J
そしてまたしても、おれは木戸時計店に来ていた。
店名が違うのもいつも通りだ。
- 34 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:51
|| |
||
|
|| ∧_∧ |
|| (o-´ )
|
||二二二ヽと ) │
iニニニニニニニニニニニニニニニニ」
∧∧│
| // 。=。 .___/ / |──‐(Д゚ ,,)┤r:::::::::、
|
('(>) li.<ll |──‐(, つ/::(└):::)_
I====================I
〜| | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
し`J | [ }}
/|
I==========I
今日は主人に話しかけることはせず、
おれは傍にある「人生の時計」をなでまわしながら
主人の修理作業を眺めていた。
- 35 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:51
/ヽ
/ \ _ _
,' ヽ |二二二二二二二二二二ニ|
‐´ ヽ、 | |
..::::::::::::::::::|~|ニ|≡|ニ|-||│
l |
| ̄ ̄‖|::::::::|~|ニ|≡|ニ|-||│
| | 二二二二二二二二二二
|
/ | ||ニ|≡|=| :| .|=|:::|ニ| |‖|:::|│
/ | ||ニ|≡|=|‐|¨|=|:::|.│|‖|:::|│
/ |
二二二二二二二二二二 |
〈 | |____|
::::::|=======|│
`゙`ヽ, | || |.::::::::|
|│
l |_二二二二二二二二二二_|
/ /|,,:::.: .
;;:;;;::,, ,.. ;;;;.... ;;;...
__/ /│ ...,;;/.;;::;;; ;;::;;;
...., ...
/ |
/ |
____,ノ
|
主人のうしろの棚には修理道具と一緒に大小の本が
並べられていて、その中には高価そうな分厚い洋書もあった。
- 36 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:52
|| ,──────────、
||
|あの本は時計のことを|
|| ∧_∧ |書いた本ですか |
||
( `o-´) `ーv────────‐'
||二二二ヽと
) |
iニニニニニニニニニニニニニニニニ」 ∧∧ |
| // 。=。 .___/ / |─‐∩(Д゚
,,) r:::::::::、
| ('(>) li.<ll |──ヽ j
/::(└):::)_
I====================I | 〜| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
し' J | [ }} /|
I==========I
,───────^───────────、
| あれは、時計について書いた本じゃなくて |
| 時計なんだよ
|
`ー─────────────────‐'
- 37 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:52
彼はそれを抜き出して見せてくれた。
,;-─'''´~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~``''‐-‐'''´~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~``''─-、
||il !
li||
||il ,-‐''"´ ̄``''‐-、 .; ,-‐''"´ ̄``''‐-、
.li||
||il /" | `ヽ, /" | `ヽ, .li||
||il ,l | l, ,l | l, li||
||il | |____
| | |____ | . li||
||il | | | | .li||
||il 'l
,l' 'l ,l' . li||
||il 'ヽ, ,/ 'ヽ,
,/ li||
||il `‐-、,____,-‐''´ `‐-、,____,-‐''´ li||
||il ; li||
||il
! li||
||il i li||
'-─'''´~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~``''‐-‐'''´~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~``''─-'
そこにはある時刻を示す時計の文字盤が書かれていた。
次のページには一分進んだ時刻の文字盤が書かれている。
- 38 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:52
||;;;;;;;;:;;;;;;;::,, ,.. /,,:::.:. .. .,......, ..... |
|
||.,.,...........,,,,,,,... ∧_∧ | |
||
( `o-´) | |
|| ̄ ̄ ̄|i ( ,) |
|
__||___|l____.(__,つ_) | |
/ │
∧∧ | |
ト,__________.」 il⌒(Д゚;,) .| |
| // 。=。 .___/ /
|──⌒と |─.| ,────、
| ('(>) li.<ll |───‐| ,〜 | . |ヽ
r::::::::、ヽ
I===================I し' J ヽ│ \/::(└):::)
\
`| \ \
\
,────^─────────、
| どうしてこれが時計なんですか |
,─────────^──‐、───────────'
| だってこれは時計だろうが
|
`ー───────────'
,────^─────────、
| でも、これを見せてもらうのは |
| 初めてですよ
|
`ー────────────‐'
- 39 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:52
,───────────────────、
| そうかい、……だとすると、
|
| あんたの考え方が変わってきたんだろうね |
`ー──────────v───────‐'
||;;;;;;;;:;;;;;;;::,, ,.. /,,:::.:. .. .,......, ..... | |
||.,.,...........,,,,,,,... ∧_∧ | |
||
( `o-´) | |
|| ̄ ̄ ̄|i (. cっ ) |
|
__||___|l____.(__,つ_) | |
/ | il⌒l⌒∧∧ |
|
ト,__________.」 ⌒'⌒(Д゚ ,,) | |
| // 。=。 .___/ / |───と |─.|
,────、
| ('(>) li.<ll |───‐| ,〜 | . |ヽ
r::::::::、ヽ
I===================I. し' J ヽ│ \/::(└):::)
\
`| \ \
\
,───^──────────‐、
| じゃあ、他にもまだ、 |
| 知らない時計があるんですか?|
,───^─‐、 `ー─────────────'
| ………… |
`ー────‐'
- 40 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:53
,──────────────ー、
| あんたに、「近づいてくる時計」を |
| 見せたかな
|
`ー───────v──────‐'
||;;;;;;;;:;;;;;;;::,, ,.. /,,:::.:. ..
.,......, ..... | |
||.,.,...........,,,,,,,∧_∧ |
|
|| (-o´ .) | |
|| ̄ ̄ ̄|ニiと )
| |
__||___|l__(_(__ つ | |
/ | il⌒l⌒∧∧ |
|
ト,__________.」 ⌒'⌒(Д゚ ,,) | |
| // 。=。 .___/ / |───‐し |─|
,────、
| ('(>) li.<ll |───‐| ,〜.| .|ヽ
r::::::::、ヽ
I===================I. し' J ヽ| \/::(└):::)
\
`| \ \
\
,──^─‐、
| いいえ |
`ー───'
- 41 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:53
主人は大きな腕時計を出してガラスケースの上に置いた。
デジタル時計であり、時間を示す数字が六桁もあった。
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| /
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / /
_|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|_
/
┏────^────^───ー┓
┠────────────‐┥
│ 二l |__| l二
l二l l|二l |!l|l│.|
│ |_ .| |_| |_| l_l! |i
|l! |
┝────────────‐┨
┗────v────v───‐┛
"|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|"
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
秒を示す数字は恐ろしい勢いで減少し続けていた。
- 42 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:53
||;;;;;;;;:;;;;;;;::,, ,.. /,,:::.:. .. .,......,
....... │ |
||.,.,...........,,,,,,,... ∧_∧ | |
|| (`-o´ ) | |
|| ̄ ̄ ̄|i ( cっ ) |
|
__||___|l____∧∧__,つ_.) | |
/ 刀@(Д゚ ,,)l⌒i .|
|
ト,__________.と |`'⌒ | |
| // 。=。 .___/ / || |〜───‐.|
,────、
| ('(>) li.<ll |し`J────‐.| |ヽ
r::::::::、ヽ
I===================I ヽ│ \/::(└):::)
\
`| \ \
\
,──────────^───────ー、
| デジタルというのはこの店には珍しいな。 |
| これはどういう時計ですか
|
`ー───────────‐,───^────‐、
| あんたの、……
|
`ー───────‐'
主人は口ごもり、あとは口の中でむにゃむにゃ言った。
あるいは、それは夢の中であるがためのことばの
不明瞭さだったかもしれない。
- 43 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:54
,ヘ ,ヘ
/,, !、___/ ,,i
i !
l O O l 単純には言語化できない場合とか、ことばにすると
ヽ
〈 ̄' ノ 衝撃が大きすぎる場合の不明瞭さだ。
/ ⌒ヽ
/ ,==、n__ \
l i! ミニ____ ) だからおれはすぐに諒解した。
| l! | おれの残り時間を示す時計なのだ。
| l l
| l |
| l l
| 〈 ,l l
そういえば今日の昼間、起きている時
( ,__i〉 !l l こんな時計があるのではないかと、ちらり
| i i | 思ったような気もする。
| l l |
| l l
|
| l l! |
| l l! |
| l l; |
丿 〈 ヽ ヽ
(____ノ ヽ、_)
- 44 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:54
,───────────────────‐、
| その数字を、年数に換算しないほうがいいよ |
`ー,───v───────────────────‐、
| ぼんやり見ている分には、「まだこんなにある」と │
| 思ってご機嫌でいられるが、換算するとのけぞったり |
| 取り乱したりするからね |
`ー──v───────────────────ー'
| i r:::::::::、
| ,/ ̄ ̄ ̄/::(└):::) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'!
|/______________i
∧_∧ / / / |
( `o-´) {(>)} o....., [└] |
( ).========================I
| | |
/ ̄ ̄ ̄l_,)_) ∧∧
./
/| (Д゚ ,,)
/ | 田| ∪
____/ /|
| |〜
// | /. し`J ヽ─────────────‐、
(:( .| /
| この数字を変えられるボタンは |
====イ' | どこかについてますか
|
`ー─────────────‐'
- 45 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:54
,──────────‐、
| …ないんじゃないの? |
`ー──v───────'
| i r:::::::::、
| ,/ ̄ ̄ ̄/::(└):::) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'!
|/______________i
∧_∧ / / /. |
( `oー´)
{(>)} o....., [└] . |
( )
========================I
| | |
/ ̄ ̄ ̄l_,)_) ∧∧
./
/| (д :::)
/ | 田| ∪
____/ /|
| |〜 。
// | /. し`J ,─o───‐、
(:( .| /
| ………… |
====イ' `ー────‐'
- 46 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:55
,───────────────‐、
| おっと、っと、と。危ないあぶない、 |
| あんたこれを壊すつもりだったな。
|
`ー───v───────────'
| i r:::::::::、
|
,/ ̄ ̄ ̄/::(└):::) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'!
∧_∧_____________i
(; `o-´) /
/ / |
( つ徹 {(>)} o....
,──────────────────‐、
| ト、 ヽ.===========< あんたは昔もかっとなって、この店の中を
|
(__)(_) │ 滅茶苦茶にしたことがあるが、 │
/ ̄ ̄ ̄l 丶
∧∧ .| あんなことはもうやめてほしい。 |
./ /| \l 从 (Д^;) | 逆上するのはあんたの悪い癖だ
|
/ | て c| と ) `ー─────────────────‐'
____/ /|
| |〜
// | /. し`J
(:( .| /
====イ
,──────^─────────────、
| いやあ。あれからもう二十年だ。 |
| おれだってもう、あんなに怒りっぽくはないよ |
`ー──────────────────‐'
- 47 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:55
,──────────────────、
| いや、あんたはやっぱりあんたなんだよ。 |
| おれをごまかすなんて無理だ。そうだろう。|
| これを見なさい
|
`ー──v───────────────'
| i r:::::::::、
| ,/ ̄ ̄ ̄/::(└):::) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'!
|/______________i
∧_∧ / / / |
,__( `o-´)
{(>)} o....., [└] |
∨ と
).=========================I
゙ ̄| | |
/ ̄ ̄ ̄l__)_) ∧∧
./
/| (Д゚;,)
/ | | ∪
____/ /|
| |〜
// | /. し`J
(:( .| /
====イ'
- 48 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:55
本に描かれている時計の絵の、長針と短針が
猛烈なスピードでまわっていた。
,;-─'''´~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~``''‐-‐'''´~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~``''─-、
||il !
li||
||il ,-‐''"´ ̄``''‐-、 .; ,-‐''"´ ̄``''‐-、
.li||
||il /" |ミ `ヽ, /" |ミ `ヽ, li||
||il ,l |ミ l, ,l |ミ ミ l, li||
||il |.
___|____ミ .| | |____ | li||
||il |ヾヾ ̄ \ | |
/ ))) | li||
||il 'l \彡 ,l' 'l / ,l' . li||
||il 'ヽ, ,/ 'ヽ, 彡 ,/ li||
||il `‐-、,____,-‐''´ `‐-、,____,-‐''´ li||
||il. ,ヘ,.
,へ、 ; li||
||il / i / ! !
li||
||il /: !,-───/ ! .! li||
'-./::
l‐-‐'''´~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~``''─-'
. l::: ι ◯ l
|:::.
┌i
l,::::. |│
':;:::.. 〃
ノ‐'
〉:::. 〈
,──────────────────、
| ほうら。やっぱり狂っちまった。
|
| さあ。もう眼を覚ましなさい覚ましなさい >
`ー───────────────∧_∧
(`o-´ )
- 49 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:56
`、_,〜、_,〜、_,〜、_,〜、_,〜、_,○、_,〜、_,〜、_,〜、_,〜、_,〜、_,〜'
| ._______. |
| : : : : : : : : : : O: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
:.
| | ̄ ̄| |i:| : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : :.
| |/ヽ,. | │| : : : : :o : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : :
| | /ヽ| |│ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : :
| | ''".::.| |:i| : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : :
| |__| | | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
:
|  ̄ ̄ .|:,| : : : : : : : : : : : : : : : : : :
:
|───‐┤|_______________________: : :
∧∧
,-('~~(;-Д)
(、  ̄/ , v
i\
\(⌒∪∪⌒\
\\二二二二<、
`─────'
おれは無理やり覚醒させられてしまった。
- 50 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:56
、
ヽ┬ 二. lコ
土 三┼ ┌┴
冫┴ 丿‐┘ Ll 寸 口│ .ノ 占
|三三三三三三三三三三三三三|
| || |
|
/ || |
| / || |
|
|| |
| ||
|
.______|________.||________.|____
∧∧
(,,
゚Д)
| J
〜 |
し`J
その日は、銀座四丁目の裏通りを抜けてやってきたためか
名前が江戸時計店になっていた。
- 51 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:57
||;;;;;;;;:;;;;;;;::,, ,.. /,,:::.:. .. .,......, ..... |
|
||.,.,...........,,,,,,,... ∧_∧ | |
||
(`o-´ ) | |
|| ( ) |
|
__||________ (__,つ_) | |
/ │ |
|
ト,.__________」 | |
| // 。=。 .___/ / |∧∧────‐|
,────、
| ('(>) li.<ll (,, ゚Д)────.| .|ヽ
r::::::::、ヽ
I===================(, つ ヽ | \/::(└):::) \
〜| | `| \ \
(./`J
\
,───────────^────────‐、
| この前見せてもらった「近づいてくる時計」を、 |
| もう一度見せてもらえませんか
|
`ー───────────────────'
- 52 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:57
- ,────^─、
∧_∧ 驚くなよ |
( `o-´)─────'
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| /
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / /
_|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|_
/
┏────^────^───ー┓
┠────────────‐┥
│
囗 l ̄| l二l l|二l |!l|l ||
│ _| | |_| l_l! |i
|l!.|
┝────────────‐┨
┗────v────v───‐┛
"|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|"
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
時間を示す数字が五桁になっていた。
- 53 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:57
||;;;;;;;;:;;;;;;;::,, ,.. /,,:::.:. .. .,......, ..... |
|
||.,.,...........,,,,,,,... | |
||
| |
|| |
|
__||________ ∧_∧ │ |
/ | (`o-´ ,) |
|
ト,.__________」 ( ) | |
| // 。=。 ∧∧──| | ,ノ─ |
,────、
|. ('(>) (,, ゚Д)─ (__)──| |ヽ
r::::::::、ヽ
I=================i つ ヽ | \/::(└):::) \
〜| | `| \ \
し`J
\
,─────────^──────────、
| 五桁になるのがいやに早いじゃないですか。
│
| やっぱりこれはインチキだったんですね |
`ー───────────────────'
,───^───────────‐、
| いや。あんたに忠実なだけだろう |
`ー──────────────'
- 54 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:58
||;;;;;;;;:;;;;;;;::,, ,.. /,,:::.:. .. .,......, ..... |
|
||.,.,...........,,,,,,,... | |
,───────────‐、 . | |
| じゃ、これを買いましょう
| | |
_`ー──────v────‐' | |
/
| | |
ト,.__________」 ∧_∧ |
| // 。=。 ∧∧
──‐(`o-´ ) ,────、
| ('(>) (,,゚Д゚) ──.( ) |ヽ
r::::::::、ヽ
I================と つ刀@ | | |ヽ│ \/::(└):::) \
〜| | (_(__) `| \ \
し`J
\
,───────────^──────、
| これは夢の中だ、
|
| 売買なんでものが成立しないってことは |
| よくわかっているはずだよ .
|
`ー────────────────‐'
- 55 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:58
,――――――───────――――、
∧_∧
| あんたはこれを叩き壊すつもりだろう。 |
( `o-´ ) ノ いかんいかん
|
(つ刀@)  ̄`ー――――――――───────―'
| | |
(__)_)
∧∧
(Д゚ ,,)
し | 気がつくと「近づいてくる時計」は
| |〜
いつのまにか、店主の手に戻っていた。
し' J
- 56 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:58
| r:::::::::、 ガシッ !
|
∧∧/::(└):::) ____i
| (,#゚Д)^) ̄ ̄/ / |
| ‐=≡/ ノ o....., [└]. |
|
‐=〜/ / ===============I
───┘ (./´ヽ)
从/
 ̄ ̄l
∧_∧
/| ( ;`o-)
/ | (
つ)
_,/ /| 〉 、 ヽ
| / (_ハ_)
| /
=イ
- 57 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:59
.,―――――――――─────、
| それをどうするつもりだ。 |
| またあんたの悪い癖が出たな?|
`ー――――――v───────'
,────────────────、
| この時計の中はどうなっているのか |
| 見たいんだ
|
`ー────v──────────‐'
.,―――─――――――────────、
| 叩き壊すというのか。いかんいかん。
|
| それはただ、その小さな時計が岩の中に |
| 埋め込まれているだけだ
|
`ー――――――v───────――─―'
r:::::::::、
∧_∧ /::∧∧::)
( ;`o-) (^(Д゚#,)')
( つ つ ヽ
ノ
〉 ) ) | |〜
(__ノ、__)
し`J
,―――――――――^────────―‐、
│
じゃあなんで「人生の時計」なんて言うんだ。 |
│ だいたい、それだけのことなら、あんた .
|
│ なんでそんなにあわててるんだい |
`ー――――――───────――──―'
- 58 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:59
,─────────────‐、
| その中にはあんたの人生が |
| 埋め込まれているだけでなく、
|
`ー─────v────‐ヽ人_从人ノ
≫ あっ ≪
`Y⌒YW⌒
‐- 、
∧_∧
∧∧ ヾ
( ;`o-) (#゚Д゚) ヽ
( つ つ
| J J
/ , 〉 〜| | ,ヽ 从 /
(_ノ(_) (./^ヽ) r::ζ. .: ・.
V.
,
- 59 :名無しのAA書きさん :04/12/06 21:59
- __
〈ゝ;,: 。
。
 ̄
゚
i久;〉
__
i;.;ζ〉 ゚
` ̄ i!;〉 ゚
。
。 ゚
、ヘ;.;〉 。
。
 ̄
。
_ ゚ くツ
〈;.久i
「人生の時計」はおれの足もとで粉ごなに砕け、破片に混って
金属とガラスでできたきらめく粒が何百とも知れず散らばっていた。
- 60 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:00
,ヘ ,ヘ
. / 'ー-' 、 l
/ ν |
l O
l
ヽ ⊂'
/ <´
ヽ \
\ ヽ-、
ヽ. ` )
"'ー- ′
/
'
/
、_ / <
 ̄
`ヽ、___) i!;〉 。 <ッ 。 。
゚ ゚ ;;ュ
しゃがみこんでよく見ればそれはすべて時計、ひとつひとつが
古い懐中時計のようにただ時間がよくわかることだけを考えた
直径五ミリほどの文字盤を持つアナログの時計だった。
- 61 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:00
,――――――――――、
| ひやあ。気持が悪い。│
| これは何ですか . │
!
`ー―――――――v――'__________i
| ∧∧ / / |
| (; ゚Д) o....., [└] │
|====== ./ つi
=================I
───┘ (__ ,⌒)) . .:
・. ’.V
'ー'‐' V.
, .. :.
W ゜
__
( >>
( J
J ,――――――、
〉 ) )
∠ やったか… |
(__)_) `ー―――――'
- 62 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:00
-
,―――――――――──────────────―、
| そのひとつひとつは、あんたが心にかけている人たちの |
∠ 生命の時計だった
|
`ー――──────────────―――――――‐'‐、
| 動いている時計と動いていない時計があるだろう。
|
| 動いていないのは死んだ人のものだよ │
`ー―─―――──────────────――――'
,ヘ ,ヘ
. / 'ー-' 、 l ,――――――――───────――、
/ |
| 動いては停り、 |
l O
l | 停っては動いている時計もありますね |
ヽ ⊂'
`y――――――――───────―'
/ <´
ヽ \
\ ヽ-、
ヽ. ` )
"'ー- ′
/
'
/
、_ / <
 ̄
`ヽ、___) i!;〉 。 <ッ 。 。
゚ ゚ ;;ュ
_
,―――――――───―─、
\ それは、あんたが夢の中で |
`ー―――――――───―‐'
- 63 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:01
,―――――――――、
| まだ、生きているか |
`ー―――v―――――'
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::... ,―――――――――、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧_.:..
. | 死んでいるか、よく |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::( `o-´ ::.
. `ーy―――――――‐'
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.: . . ::.
.
::::::::::::::::::::::::::::::::::... | | ::.
.
:::::::::::::::::::::::::::.. (__:.:: :. ..
∧∧
(Д゚ ,,)
し |
| ,〜
し'
J
,―――――^―――─―‐、
| 認識……て……ない… |
`ー―――――――─――'
- 64 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:01
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
::::::::::::::::::::::::::::::::::.
::::::::::::::::::::::::::::...
∧∧
(゚Д゚ ,)
し
|
| |〜
し`J
\ ガーッ /
- 65 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:01
,――――――――────――、
________| やあやあ。その時計、壊したの |
| | `ー―y―――――────―――'
| |
│|
| | _、_ .||
| | ('"__"')
│|
| | (┗‐o-o` ) │|
| | ヽ、` )
.||
| | |│ │ │|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
'ー(__) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
::::::::::::
:::::::::
∧∧
(,,
゚Д)
| J
〜 |
し`J
,――――――──^─────────―――‐、
| 今夜はここへ入ってきてくれたんですか。
|
| 前の通りを通ってくださるだけでも大変でしょうに |
`ー―――――――───────────――‐'
- 66 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:02
,――――‐、
| どうして |
`ー―y――'
_、_
∧∧
('"__"')
(,,゚Д゚) ┗‐o-o` )
⊂ つ ( )
〜| | │ | |
し`J
(_(__)
,―――――――^───────────――、
| だってあなたは、すごくたくさんの人の夢の中に
|
| 登場してやらなきゃならないでしょうが .|
`ー――――――――───────────‐'
ハッハッハ――――――───^─────―‐、
| そんなあなた。ぼくはステージ掛け持ちで |
| とびまわるような役者じゃないんだよ
|
`ー――――────────―――――‐'
- 67 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:02
,―――――――――───‐、
| あっ。これ、ぼくの時計です |
`ー─――――――v───―'─────、
| 普通に動いてるみたいだな。
|
| ということは、あなたはまだぼくを |
| 死んだと思っていないんでしょう。ね |
`ー―――――――─v──────‐'
|/______________i
|| _、_ / / |
|| ('"__"') o....., [└]. |
|I== ( ´o-o‐┛
===============I
───┘ ,( つ゜ . .: ・. ’.V
し、__)_)
V. , .. :.
∧∧
(Д゚
,,)
|∪ |
| 〜
し`J
- 68 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:02
,―――――――───────────――─‐、
| ぼくがいちばんつらいのは、
|
| ここに散らばっている時計が |
| 動いたり停ったりしている人を夢に見ることですよ |
`ー―――――─v──────────────‐'
_、_
∧∧ ('"__"')
(,,-Д) ┗‐o-o` )
/ J ヽ
( つ゜ )
(_ ,⌒) )' (_,(_、J
'ー'ー'
. .: ・. ’.V
V. , .. :.
W
,――――――^────────────────――‐、
| 夢の中ですら忘れかけている人がいるんだなあと思って、|
| つらくてしかたがないんです
|
`ー―───────────────――――――――'
- 69 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:03
,――――――─────――――、
| 夢を、フィクションだと思いますか |
`ー―――――v――─────―‐'
_、_
∧∧ ('"__"')
(,, ゚Д) ┗‐o-o`
)
/ J ヽ ( つ゜ )
(_ ,⌒)
)' (_,(_、J
'ー'ー'
. .: ・. ’.V
V. , .. :.
W
,――――――――───^────―‐、
| フィクションでもあるし
|
| ノンフィクションでもあるんじゃないかな |
`ー―――――――────────―'
- 70 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:03
. |:: |:.: : : . : : :.:|
.
|:: |:.:.: . . :.:.:| :|l\
」 |:: |: :
: : : :| :|l |\
. 」 」 |:: | | :|l |
|
」 」 」 .;|二| \|l | |
」 」 /"""""
\| |
. 」 / ∧∧ \.|
/
(.゚Д゚,) \
/ (, ,)
\
0 | _、_
. `i_ノ ('"__"')
~┗‐o-o` )
( )
|│
│
'ー(__)
,―――――――──^───────────―、
| あなた以前、夢はもうひとつの現実で、
|
| もうひとつの虚構でもあるって書いていたでしょう。|
`ー――――――────────────―――'
,―――――――────^────────――、
| それ、正しいんだけどさ、それからね、もうひとつ |
| 今ぼくのいるところに通じている場でもあるの
|
`ー――――――────────────――‐'
- 71 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:03
l..:::::;|...::::::::::::;;;| ::|| ̄|| ̄||| ̄|| ̄||
::|| ̄|| ̄||| ̄|| ̄||
::::l..:;|..:.::.::::::::;;;| ::|| ̄|| ̄||| ̄|| ̄||
::|| ̄|| ̄||| ̄|| ̄||
l..:::::;|::......::::::::;;| .:|i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,| .
.:|i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,|
::::l..:;|\
...::::::;;|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~
l..:::::;| ::.\.:::;;|:. ,――――――――――、
::::l..:;|
\|:: . , | えっ、そうなんですか |
 ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ーy――――――――‐'
∧∧
(゚Д゚;)
(l
ヽ)
_、_ | |〜
('"__"')
(./^ヽ)
~~┗‐o-o` )
( )
y 人
,ヽ――――─────────―――――‐、
(_)ヽJ | そうなのそうなの。それでね、
|
| ぼくはそこでぼくの漫画の登場人物と会って |
| 話したりするんだけど、 |
`ー――――――─────────―――‐'
,――――――――^────────────――、
| まあみんななかなか魅力のある連中なんだけど、 |
| やっぱりぼくの一部だから、ちょっと退屈したりしてさ |
`ー――――――――──────────────'
- 72 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:04
ヽ、ヽ、ヽ、ヽ、ヽ、/ // ,―――――――────────────――、
ヽ、ヽ、ヽ、ヽ、/ .// |
でもあなたにだって、あの時計屋の主人みたいに |
ヽ、ヽ、ヽ、/ // |
夢の中だけで会う人はいるんじゃないの |
ヽ、ヽ、./ // `ー―――────v────────―――――'
ヽ、
/ // . /
、/ // / _、_
//:::::::.. /
('"__"')
//::::::::.::.. / ~┗(` )
/:::::::::..::.
/ ( )
::::::..::.::..... / | |
|
::::::.:::... / ∧∧ (__)ー'
::.:::..... / (
,,゚Д)
::::::::. / ( ,)
::::./ 〜
|
/
(./`U
,――――――――─‐^──────────―、
| そういえば、この坂道も夢にしか出てきませんね |
`ー―――――────────────―――'
- 73 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:04
おれたちは並んで坂を登り続け、やがて崖の上に出た。
たいていややこしい過程を経て、夢の醒め際にくる場所なのだが
今夜は簡単にくることができたようだ。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::ri:::::i
°::::::::o::::::::::::::::::::::::::・::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::o::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::i==i
|lIIII| ∵HHEHE!I!I! ・几冂几冂 _、_ °1ii!i!|\ 品 °::::::・:: [圭:::
:IiIiIiв 。
|==日_EE| ・ 三|HHH| ('"__"') o iヱ川I ・ I ̄I|I ̄i:::
. o 。 ∧∧
~┗( ) ・ o
..::::::::::::::::::::::;;;;;;::::;;;;;;;;(,,
゚Д);;;;;;;;;;;;;;::
( )::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::..
:::::::::::::::::::::
/ ゙"゙ ,(, ,) ゙"゙ | | |゙"゙゙"゙
゙"゙ヽ;;;;;;:::::::::::::
:::::::::::::::::;ノ " ゙ ゙"゙ 〜 | ,
(__)_) ゙゙"゙" \:::::::
:::::::::::::::::|ll\ し`J 。
゙"゙ ,, \::
:::::::::::::::::ゞ,,ll| ゙" ゙"゙ ,―‐o―――─────―――─‐、
ノ|:
::::::::;;;;;;;/ll,ノ'' ゙ | このひとと一緒だったからかなあ |,/lll
|:
::::/ ゙"゙゙ ゙"゙"゙" `ー――――――─────―――'〈ll lソ::
そう思って横に立つ漫画家の顔を見ると、
彼は眼下に拡がった夜景をびっくりした表情で眺めていた。
- 74 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:04
,―――――──────―――――‐、
| あんた、高所恐怖症じゃなかったの?
|
`ー――――――v───────――'
,――――――――───────────――、
| ここなら平気なんですよ。高過ぎて、着陸寸前の |
| 飛行機から見た地上の夜景と一緒ですからね。
. |
| かえって安心するんです
|
`ー―――――――────v───────――'
_、_
('"__"') ∧∧
(; ´o-o‐┛~
(゚Д゚,,)
( ) (, J
| | |
| |〜
::::. :: |\ :::....,,,, (_ノ、__) し`J
"""" ,
:::::::.. |::::.\ "゙"゙" /::| .:::::
;;ヽソ::::|〉:l .|""''--=_
____,,....--=''''""'|::i .:|;:::::く`
::::| | .::| :::`
|L:::: :::::| l ̄""'''==--'''"" ̄i:::ヽl/:::: .〈J |::::l|| :: |
.:;:||::.::::.|::
::::|:〉 |||:: :::|ll:::|::: ::l:::: lll 〉:::
::::::ヽ |::::``---== | :::::::: |:::::::::::|::.:J|::::.. |::
::::〉:::
:|||::i::::l: ::::`i:::ヽl/:::: .〈 ::.:J |::::l|| :
| :::: ::::|::::::::::::|::::\:::| | :::|:: (:|
::::|| .||::.|ヾ|::::.i |::
:::|::: ::: |:::: i:::: |::::|ll .| .::::ill |:::::::::::|:::::::: |::|:
::l::|::::::lll::
::‖ ::::| ::|:::::| \::::| | ( ` .L:::: :::::|:l|| :
|::::|::::::::::lli:::|:〉 |||:::: |ll:::|::|: ::l :::
- 75 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:05
崖の突端に立ち、天地に満ちた光を眺めながら、
おれと漫画家はずいぶん哲学的な話をしたような気がする。
。 . 。 . .゚o 。 *. 。 .. . +. . .
。 . . . . . 。 ゚。, ゚. 。 ゚ ,。 . 。 , .。
゚ 。 ゚ . +。 ゚ * 。. , 。゚ +. 。*。 ゚. . . .
。 . . 。 。゚. * 。, ´。. 。。. ゚。+ 。 .。 . 。 .
.゚ ゚ 。゚ + 。. * 。゚ 。゚ +
.......
........ ............. \ / ............
... . 。 。 . 。
.......:::..::::::...::::::.::::::::::::::::: ,、,、 ,;_;;、 :::::::::.:.:::::::..::.......
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
(,゚iコ゚) ┗-o`)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
( っ ( )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::__,,..
.-‐'''""~ ̄"゙"゙" ̄~""'''‐-
...,,__:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
,,:;''"''--─=''' ̄l::''゙:l:::く
::i゙""i゙゛"::"' ̄l"゙゛"'''::::>::::::i
::::: ̄`''=‐--"゙'''、=-
::::::|:〉 |||:: :::|ll:::|::: ::l:::: lll 〉:::
::::::ヽ |::::``---== | :::::::::|:::::::::::|::.:J::|::::
::::::〉:::
:|||::i::::l: ::::`i:::ヽl/:::: .〈 ::.:J |::::l||::::
| :::: ::::|::::::::::::|::::\:::| | :::|::::
:::::|| .||::.|ヾ|::::.i |::
:::|::: ::: |:::: i:::: |::::|ll .| .::::ill |:::::::::::|:::::::: |::|:
::l::|::::
::::‖..::::| ::|:::::| ::\::::| | ( ` .L:::: :::::|:l||::::
|::::|::::::::::lli:::|:〉
::|||:::: |ll:::|::|::::
気がするだけで、何を話しているかよくわからないというのは、
そろそろ眼が醒めかけている証拠だった。
- 76 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:05
| r,====、 {{ >゙}
| . |i ┘ !l
||/||
| ヽ===シ `‐´
| !
| i r:::::::::、
| ,/ ̄ ̄ ̄/::(└):::)刀P ̄ ̄ ̄ ̄'!
|/______________i
|| / / / |
||
{(>)} o....., [└] . |
|I
===========================I
──┘
/ ̄ ̄ ̄l
./ /|
∧∧
/ | (Д゚ ,,)
____/ /| (
,)
// | / :::::| 〜
(:( .| / :::し'
J
====イ'
気がつくとひとり、また井戸時計店に戻っていた。
眼醒めの寸前に、あわてて戻ってきたらしい。
- 77 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:05
主人はいず、「人生の時計」がもと通りになって
ケースの上に置かれていた。
その横に「近づいてくる時計」も置いてあった。
,ヘ ,ヘ
/,,
!、___/ ,,i
i !
l O O l
ヽ i二l ノ
/ ⌒ヽ
/ ,==、n__ \
l i! ミニ____ )
| l!
|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
________
,r';.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.ヽ 。
l;.;.;.;.;.;..;.;.;.;.;.;
,―――o――――─────――‐、
'l;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;| 親爺さん、置いといてくれたんだな |
 ̄ ̄ ̄ ̄ `ー―――――――─────――‐'
おれはそう思い、手にとって文字盤を見た。
- 78 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:06
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
_|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|_
┏────^────^───ー┓
┠────────────‐┥
│
l___| l二 l|二l |!l|l!| |
│ | _| l_l! !|i
|l!l|
┝────────────‐┨
┗────v────v───‐┛
"|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|"
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
数字が四桁になっていた。
- 79 :名無しのAA書きさん :04/12/06 22:06
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
│
原作 筒井康隆 「近づいてくる時計」 |
|_________________|
||
∧ ∧.||
(,,゚д゚)||
/
つO
- 80 :名無しのAA書きさん :04/12/13 18:53
- 使いみちのないAA('A`)
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- 81 :名無しのAA書きさん :04/12/13 18:53
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- 82 :名無しのAA書きさん :04/12/13 18:54
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- 83 :名無しのAA書きさん :04/12/13 18:54
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- 84 :名無しのAA書きさん :05/01/02 07:04
某サイトでこんな心理テストを見つけた。
∧∧ カタカタ
(,,゚Д゚)
/ ̄ ̄/
ノ つつ_/ /
〜(,,_| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 85 :名無しのAA書きさん :05/01/02 07:04
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 何も考えず、四字熟語を2つ思い浮かべてください。 |
|_______
_______________|
|/
∧∧
(,,゚Д゚)
/ ̄ ̄/
ノ つつ_/ /
〜(,,_| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
o
,───○───────、
| 2つだな?
|
| ・・・思い浮かべたぞ、と |
`ー──────────'
- 86 :名無しのAA書きさん :05/01/02 07:05
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 1つめがあなたの人生観、2つめが恋愛観を |
| あらわす言葉です。
|
|_______ ____________|
|/
从/
∧∧
(;゚Д゚) / ̄ ̄/
ノ
つつ_/ /
〜(,,_| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 87 :名無しのAA書きさん :05/01/02 07:05
自分の答え
人生観→七転八倒 恋愛観→阿鼻叫喚
il||li
∧∧
/⌒ヽ)
〜(,_,,,)
/ ̄ ̄/
_/ /
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
新年あけましておめでとうございます。
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